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JUAA職員によるブックレビュー

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『アメリカとの比較で見るリカレント教育』【ブックレビュー#40】

『アメリカとの比較で見るリカレント教育』【ブックレビュー#40】

 みなさまこんにちは。評価第1課の市川と申します。
昨年より総務企画課から評価第1課に異動し、評価に関する業務は2年目になります。
 本協会にある書庫を眺めていたところ、こちらの書籍が目に留まり、手に取ってみました。

 昨年度は文部科学省の中央教育審議会大学分科会大学院部会を何度か傍聴する機会があり、人文科学・社会科学系の大学院教育改革について議論がなされる中で、リカレント教育やリスキリングの重

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IDE 現代の高等教育 No.346「『大学の自己評価』を評価する」【ブックレビュー#39】

IDE 現代の高等教育 No.346「『大学の自己評価』を評価する」【ブックレビュー#39】

 こんにちは。企画・調査研究課の加藤と申します。私は、評価事業の企画などを担当しています。
今回は、こちらの雑誌を取り上げました。

※「IDE 現代の高等教育」は、IDE大学協会(大学を中心とする日本の高等教育の充実・発展に貢献することを目的とする任意団体)が月例で発行している冊子です。各月で取り扱うテーマが異なり、高等教育業界でのトレンドや関心ごとを取り上げています。

はじめに 大学設置基準

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『社会人大学院教育がひらく科学的知識創造』【ブックレビュー#38】

『社会人大学院教育がひらく科学的知識創造』【ブックレビュー#38】

 こんにちは。評価事業部評価第2課の松原と申します。評価第2課では、法科大学院やビジネススクールをはじめとした9分野の専門職大学院、そして獣医学・歯学の分野別の評価を担当しています。
 2度目のブックレビューにあたり、せっかくなので、自分の担当業務に近いものにしようと専門職大学院に関係する書籍はないかな…と本協会の書庫を眺めていたところ、本書のタイトルが目に入ってきました。

 昨今、リカレント教

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『東京大学の式辞 歴代総長の贈る言葉』【ブックレビュー#37】

『東京大学の式辞 歴代総長の贈る言葉』【ブックレビュー#37】

 入局31年目の田代と申します。いきなりで恐縮ですが、私は人前で話をするのが苦手です。職歴がある程度長くなると、人前でお話しする機会もそこそこ出てくるものですが、私は人見知りのうえに極度のあがり症なため、そのことに非常な苦手意識があります。そんな私が今回ブックレビューに選んだのは、石井洋二郎氏の『東京大学の式辞』です。

はじめに 本書を選んだ理由としては、本協会の理事や調査研究プロジェクトのメン

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『大学はもう死んでいる? トップユニバーシティーからの問題提起』【ブックレビュー#36】

『大学はもう死んでいる? トップユニバーシティーからの問題提起』【ブックレビュー#36】

 評価事業部評価第1課の山越です。
 2度目のブックレビューを書くこととなり、なるべく読みやすそうで、かつ面白そうな本にしたいと思い、本協会の書庫に立ち寄って手に取った本がこちらです。

本書の構成 これまで本協会が行ってきたブックレビューにおいて、苅谷先生の著書は第9回と第28回でも取り上げています。
 今回私が選んだこの本は、オックスフォード大学教授の苅谷先生と、東京大学に所属し、ハーバード大

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『専門職養成の日本的構造』【ブックレビュー#35】

『専門職養成の日本的構造』【ブックレビュー#35】

 評価第2課の佐藤(圭)です。昨年4月に評価第2課へ異動してから早1年が経とうとしています。
 評価第2課では、専門職大学院の認証評価と分野別評価(獣医学、歯学)を担っていますが、両者に共通するキーワードは「専門職」です。
 そこで、今回はこの本を手に取りました。

本書の構成 本書は、「はじめに」、第一章~第一二章、終章からなります。第一章は「本書の分析枠組みと概要」であり、第二章から第一二章ま

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『教養としての「ラテン語の授業」――古代ローマに学ぶリベラルアーツの源流』【ブックレビュー#34】

『教養としての「ラテン語の授業」――古代ローマに学ぶリベラルアーツの源流』【ブックレビュー#34】

 皆様こんにちは。総務部総務課に在籍しております、加々美と申します。2度目のブックレビューで、今回私が紹介する本はこちらです。

「ラテン語」は死語? 本書は、韓国出身で、東アジアで初めて、カトリック教会の司法権の最高機関であるロタ・ロマーナ(バチカン裁判所)の弁護士となり、その傍ら、ソウルの大学で教鞭をとるハン・ドンイル氏による著作です。内容は、著者の担当するラテン語講義に絡めて、ラテン語の格言

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『日本思想大系4 最澄』【ブックレビュー#33】

『日本思想大系4 最澄』【ブックレビュー#33】

はじめに―あらゆる世界は苦に満ち安らかでいられるものでなく、あらゆるものの生涯は災いばかりで快いものでない―

 いきなり何を書き出すのかと思われたことでしょう。苦に満ちているなどと言い出したのは、これが今回評するものの冒頭部分だからです。評価研究部企画・調査研究課の松坂が今回取り上げるのは、『日本思想大系』(岩波書店)全67巻の第4巻です。

「願文」とは この巻は一巻丸ごと伝教大師最澄の文を収

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『未来人材と高等教育』【ブックレビュー#32】

『未来人材と高等教育』【ブックレビュー#32】

 初めまして。今年度8月より総務企画課に採用となりました玉水と申します。何卒よろしくお願い申し上げます。
 さて、私が今回ご紹介させていただくのは、こちらの本です。

【はじめに】 今回のブックレビューを執筆するにあたり、どのような本がよいか本協会の書庫で探していたところ、こちらの本のタイトルに興味を惹かれました。
なぜ惹かれたのかと言いますと、本協会広報誌『じゅあ』第71号(本年10月刊行)にお

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『サヨナラ、学校化社会』【ブックレビュー#31】

『サヨナラ、学校化社会』【ブックレビュー#31】

 こんにちは。総務企画課の蔦です。暑かった夏も過ぎ去り、「読書の秋」がやってきました。ブックレビューを書くのが2回目となる今回は、こちらの本をご紹介します。

学校化社会の問題 この本は、フェミニストとして名高い上野千鶴子氏によって書かれたものです。上野氏は女性学やジェンダー論が専門の社会学者ですが、「偏差値四流校」の大学からわが国トップの国立大学まで長きにわたる教育経験があり、いわゆる偏差値の高

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『教育は何を評価してきたのか』【ブックレビュー#30】

『教育は何を評価してきたのか』【ブックレビュー#30】

今回で2巡目を迎えます!! こんにちは!総務企画課の藻利と申します。

 2021年5月にスタートした「JUAA職員によるブックレビュー」ですが、冒頭の趣旨にある連載企画として、毎月本協会職員が順番に記事を投稿してきました。おかげさまで今回30本目を迎えるとともに、職員による連載も今回から2巡目を迎えます。

 本連載は、「大学基準協会公式note」立ち上げとともに開始し、今では数少ない立ち上げ当

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JUAA職員によるブックレビュー#29

JUAA職員によるブックレビュー#29

 評価事業部評価第1課の安田と申します。

 昨年の夏に入局し、およそ1年間、機関別認証評価(大学評価)の業務に従事しています。

 今回、ブックレビューを担当するにあたって選んだのはこの本です。

 本書の著者は、芝浦工業大学元学長の村上雅人先生です。

 芝浦工業大学は、2013年より文部科学省が実施してきた「私立大学等改革総合支援事業」の開始当初から10年連続で全てのタイプに採択されています

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JUAA職員によるブックレビュー#28

JUAA職員によるブックレビュー#28

 評価事業部評価第1課の田山と申します。昨年入局し、大学と短期大学の評価を担当して2年目になります。

 私が今回ご紹介するのは、こちらの本です。

 ブックレビューを執筆するにあたってどのような本を選ぼうか、同期と本協会の書庫を探検していた際に、タイトルに惹かれて手に取ってみました。目次を見たところ、「もう、学力論争は終わった」という小見出しが目に入り、とても興味が湧いたため、この本を選びました

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JUAA職員によるブックレビュー#27

JUAA職員によるブックレビュー#27

 評価事業部評価第1課の佐藤(雪)と申します。
 大学基準協会には昨年度入局し、主に大学評価に係る業務に従事して2年目になりました。

 業務を通じて大学の教職員の方々とお話しするなかで、昨今のリベラルアーツ教育への注目の高まりを感じる一方で、データサイエンスや医療・福祉関係などの仕事に直接つながるような専門的教育の需要も高まっているように感じています。
 私自身が大学生の頃に中心的に学んでいたの

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