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記事一覧
『大学授業で対話はどこまで可能か: 「21世紀の教養教育」を求めて 』【ブックレビュー#44】
こんにちは。評価研究部の原です。今回のブックレビューでは、今年9月に本協会が開催したスタディ・プログラム(正会員対象)で講師を務められた澁川幸加先生(中央大学)が参加者にお勧めされていた一冊を取り上げます。大学での授業が現在どのように行われているのかという純粋な興味から、読んでみることにしました。
はじめに 本書は、京都産業大学のキャリア教育科目「キャリア・Re-デザイン」の授業実践が紹介され
『教養を深める 人間の「芯」のつくり方 』【ブックレビュー#43】
はじめに みなさんこんにちは。評価研究部国際企画室の伴野です。
皆さんは、自分に教養があると思いますでしょうか。
「自分には教養がある。」と自信を持って言える人はなかなかいないと思います。
また、本当に教養のある人がそういう発言をするかというと、懐疑的です。
そこで、「教養」を辞書で引いてみると、「学問、知識などによって養われた品位」と書かれていました。
つまり、「自分には教養がある。」
『文系と理系はなぜ分かれたのか』【ブックレビュー#42】
はじめに みなさんこんにちは、総務部総務課の椹木です。突然ですが、みなさんはご自身のことを「文系」だと思いますか?それとも「理系」だと思いますか?私は「超」の付く文系人間で、小学生の段階ですでに「自分は文系だ」と思っていました。多くの高校では、2年生あるいは3年生に進級するにあたって、文理を選択することになりますが、私は一考の余地なく文系クラスに進み、「もう数学を一生やらなくていいんだ…!」と無邪
もっとみる『アメリカとの比較で見るリカレント教育』【ブックレビュー#40】
みなさまこんにちは。評価第1課の市川と申します。
昨年より総務企画課から評価第1課に異動し、評価に関する業務は2年目になります。
本協会にある書庫を眺めていたところ、こちらの書籍が目に留まり、手に取ってみました。
昨年度は文部科学省の中央教育審議会大学分科会大学院部会を何度か傍聴する機会があり、人文科学・社会科学系の大学院教育改革について議論がなされる中で、リカレント教育やリスキリングの重
IDE 現代の高等教育 No.346「『大学の自己評価』を評価する」【ブックレビュー#39】
こんにちは。企画・調査研究課の加藤と申します。私は、評価事業の企画などを担当しています。
今回は、こちらの雑誌を取り上げました。
※「IDE 現代の高等教育」は、IDE大学協会(大学を中心とする日本の高等教育の充実・発展に貢献することを目的とする任意団体)が月例で発行している冊子です。各月で取り扱うテーマが異なり、高等教育業界でのトレンドや関心ごとを取り上げています。
はじめに 大学設置基準
『社会人大学院教育がひらく科学的知識創造』【ブックレビュー#38】
こんにちは。評価事業部評価第2課の松原と申します。評価第2課では、法科大学院やビジネススクールをはじめとした9分野の専門職大学院、そして獣医学・歯学の分野別の評価を担当しています。
2度目のブックレビューにあたり、せっかくなので、自分の担当業務に近いものにしようと専門職大学院に関係する書籍はないかな…と本協会の書庫を眺めていたところ、本書のタイトルが目に入ってきました。
昨今、リカレント教
『東京大学の式辞 歴代総長の贈る言葉』【ブックレビュー#37】
入局31年目の田代と申します。いきなりで恐縮ですが、私は人前で話をするのが苦手です。職歴がある程度長くなると、人前でお話しする機会もそこそこ出てくるものですが、私は人見知りのうえに極度のあがり症なため、そのことに非常な苦手意識があります。そんな私が今回ブックレビューに選んだのは、石井洋二郎氏の『東京大学の式辞』です。
はじめに 本書を選んだ理由としては、本協会の理事や調査研究プロジェクトのメン
『大学はもう死んでいる? トップユニバーシティーからの問題提起』【ブックレビュー#36】
評価事業部評価第1課の山越です。
2度目のブックレビューを書くこととなり、なるべく読みやすそうで、かつ面白そうな本にしたいと思い、本協会の書庫に立ち寄って手に取った本がこちらです。
本書の構成 これまで本協会が行ってきたブックレビューにおいて、苅谷先生の著書は第9回と第28回でも取り上げています。
今回私が選んだこの本は、オックスフォード大学教授の苅谷先生と、東京大学に所属し、ハーバード大
『専門職養成の日本的構造』【ブックレビュー#35】
評価第2課の佐藤(圭)です。昨年4月に評価第2課へ異動してから早1年が経とうとしています。
評価第2課では、専門職大学院の認証評価と分野別評価(獣医学、歯学)を担っていますが、両者に共通するキーワードは「専門職」です。
そこで、今回はこの本を手に取りました。
本書の構成 本書は、「はじめに」、第一章~第一二章、終章からなります。第一章は「本書の分析枠組みと概要」であり、第二章から第一二章ま
『教養としての「ラテン語の授業」――古代ローマに学ぶリベラルアーツの源流』【ブックレビュー#34】
皆様こんにちは。総務部総務課に在籍しております、加々美と申します。2度目のブックレビューで、今回私が紹介する本はこちらです。
「ラテン語」は死語? 本書は、韓国出身で、東アジアで初めて、カトリック教会の司法権の最高機関であるロタ・ロマーナ(バチカン裁判所)の弁護士となり、その傍ら、ソウルの大学で教鞭をとるハン・ドンイル氏による著作です。内容は、著者の担当するラテン語講義に絡めて、ラテン語の格言
『未来人材と高等教育』【ブックレビュー#32】
初めまして。今年度8月より総務企画課に採用となりました玉水と申します。何卒よろしくお願い申し上げます。
さて、私が今回ご紹介させていただくのは、こちらの本です。
【はじめに】 今回のブックレビューを執筆するにあたり、どのような本がよいか本協会の書庫で探していたところ、こちらの本のタイトルに興味を惹かれました。
なぜ惹かれたのかと言いますと、本協会広報誌『じゅあ』第71号(本年10月刊行)にお
『サヨナラ、学校化社会』【ブックレビュー#31】
こんにちは。総務企画課の蔦です。暑かった夏も過ぎ去り、「読書の秋」がやってきました。ブックレビューを書くのが2回目となる今回は、こちらの本をご紹介します。
学校化社会の問題 この本は、フェミニストとして名高い上野千鶴子氏によって書かれたものです。上野氏は女性学やジェンダー論が専門の社会学者ですが、「偏差値四流校」の大学からわが国トップの国立大学まで長きにわたる教育経験があり、いわゆる偏差値の高