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JUAA職員によるブックレビュー

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#ブックレビュー

『東京大学の式辞 歴代総長の贈る言葉』【ブックレビュー#37】

『東京大学の式辞 歴代総長の贈る言葉』【ブックレビュー#37】

 入局31年目の田代と申します。いきなりで恐縮ですが、私は人前で話をするのが苦手です。職歴がある程度長くなると、人前でお話しする機会もそこそこ出てくるものですが、私は人見知りのうえに極度のあがり症なため、そのことに非常な苦手意識があります。そんな私が今回ブックレビューに選んだのは、石井洋二郎氏の『東京大学の式辞』です。

はじめに 本書を選んだ理由としては、本協会の理事や調査研究プロジェクトのメン

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『大学はもう死んでいる? トップユニバーシティーからの問題提起』【ブックレビュー#36】

『大学はもう死んでいる? トップユニバーシティーからの問題提起』【ブックレビュー#36】

 評価事業部評価第1課の山越です。
 2度目のブックレビューを書くこととなり、なるべく読みやすそうで、かつ面白そうな本にしたいと思い、本協会の書庫に立ち寄って手に取った本がこちらです。

本書の構成 これまで本協会が行ってきたブックレビューにおいて、苅谷先生の著書は第9回と第28回でも取り上げています。
 今回私が選んだこの本は、オックスフォード大学教授の苅谷先生と、東京大学に所属し、ハーバード大

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『専門職養成の日本的構造』【ブックレビュー#35】

『専門職養成の日本的構造』【ブックレビュー#35】

 評価第2課の佐藤(圭)です。昨年4月に評価第2課へ異動してから早1年が経とうとしています。
 評価第2課では、専門職大学院の認証評価と分野別評価(獣医学、歯学)を担っていますが、両者に共通するキーワードは「専門職」です。
 そこで、今回はこの本を手に取りました。

本書の構成 本書は、「はじめに」、第一章~第一二章、終章からなります。第一章は「本書の分析枠組みと概要」であり、第二章から第一二章ま

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『日本思想大系4 最澄』【ブックレビュー#33】

『日本思想大系4 最澄』【ブックレビュー#33】

はじめに―あらゆる世界は苦に満ち安らかでいられるものでなく、あらゆるものの生涯は災いばかりで快いものでない―

 いきなり何を書き出すのかと思われたことでしょう。苦に満ちているなどと言い出したのは、これが今回評するものの冒頭部分だからです。評価研究部企画・調査研究課の松坂が今回取り上げるのは、『日本思想大系』(岩波書店)全67巻の第4巻です。

「願文」とは この巻は一巻丸ごと伝教大師最澄の文を収

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『未来人材と高等教育』【ブックレビュー#32】

『未来人材と高等教育』【ブックレビュー#32】

 初めまして。今年度8月より総務企画課に採用となりました玉水と申します。何卒よろしくお願い申し上げます。
 さて、私が今回ご紹介させていただくのは、こちらの本です。

【はじめに】 今回のブックレビューを執筆するにあたり、どのような本がよいか本協会の書庫で探していたところ、こちらの本のタイトルに興味を惹かれました。
なぜ惹かれたのかと言いますと、本協会広報誌『じゅあ』第71号(本年10月刊行)にお

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『サヨナラ、学校化社会』【ブックレビュー#31】

『サヨナラ、学校化社会』【ブックレビュー#31】

 こんにちは。総務企画課の蔦です。暑かった夏も過ぎ去り、「読書の秋」がやってきました。ブックレビューを書くのが2回目となる今回は、こちらの本をご紹介します。

学校化社会の問題 この本は、フェミニストとして名高い上野千鶴子氏によって書かれたものです。上野氏は女性学やジェンダー論が専門の社会学者ですが、「偏差値四流校」の大学からわが国トップの国立大学まで長きにわたる教育経験があり、いわゆる偏差値の高

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『教育は何を評価してきたのか』【ブックレビュー#30】

『教育は何を評価してきたのか』【ブックレビュー#30】

今回で2巡目を迎えます!! こんにちは!総務企画課の藻利と申します。

 2021年5月にスタートした「JUAA職員によるブックレビュー」ですが、冒頭の趣旨にある連載企画として、毎月本協会職員が順番に記事を投稿してきました。おかげさまで今回30本目を迎えるとともに、職員による連載も今回から2巡目を迎えます。

 本連載は、「大学基準協会公式note」立ち上げとともに開始し、今では数少ない立ち上げ当

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