オープンキャンパスで、大学を肌で感じよう!【拓殖大学・後編】|1000分の1の出会いのために #4
このマガジンの第1回目の記事で、大学を選ぶためには、広い視野を持ち、いろいろな情報にあたり、比較検討してほしいことをお伝えしました。
4回目のこの記事では、前回の記事で紹介した拓殖大学のオープンキャンパスについて、学生や職員にインタビューした様子をお届けします。
学生インタビュー
お話を伺う方
オープンキャンパスでの学生の活躍
――笹目さんは、「拓殖人材の証明」という企画で、学生生活で培った「専門性」についてプレゼンされていました。私たちも聞かせていただきましたが、堂々として素晴らしいプレゼンでしたね。
笹目さん(以下、敬称略、他の人も同じ):ありがとうございます。多くの方々が熱心に耳を傾けてくださったおかげで、話している最中はむしろ心地よさを感じるほどでした。終わった後、出口で見送りをしていた際、ある高校生が「拓殖大学に進学したいです!」と、目を輝かせて伝えてくれた時は、心から嬉しく思いました。一緒にプレゼンを行った2人の学生と「よかったね、成功したね」と喜び合いました。学年も違う他の2人の学生とは、今では一緒に遊びにいくくらい親しくなりました。
――木村さんは4年生の今年、初めてオープンキャンパススタッフに応募したそうですが、何かきっかけがあったのでしょうか?
木村:私は3年生の秋から6か月間、大学の制度を利用してアメリカに留学しました。留学で得られた経験をオープンキャンパスで高校生に伝えたいと思ったからです。
――キャンパスツアーを担当されたとのことですが、回るルートや話すことなどは予め決まっているのですか?
木村:本学のキャンパスツアーは、回るルートや自分自身の学生生活について話をするといった大筋は決まっているのですが、ガイドに任せられている部分が多くあります。1回あたり10人程度の参加者を学生ガイド2人で案内するのですが、私は学生の視点を大事にガイドすることや、堂々と話をすることを心掛けていました。また、留学生が多い時、保護者が多い時など、参加者に応じて内容を変えながら、笑いを交えてガイドをしました。
――佐野さんは、1年生の時から毎年オープンキャンパススタッフを務められたそうですが、今年は何を担当されていたのでしょうか?
佐野:実際に足を運んでくれた高校生に少しでも大学の魅力を伝えたい、大学を選ぶ基準にしてほしいと思って、毎年オープンキャンパススタッフを務めていますが、今年は新設された「フリー」というポジションを担当しました。「フリー」というのは、全体の業務をある程度理解し、急遽スタッフに欠員が出た場合のサポートや混雑している箇所のヘルプなど、状況に応じて対応する仕事です。
――状況をよく見て判断し、行動することが求められる重要な役割ですね。ご自身ではオープンキャンパスの仕事を通して、どのように成長したと思いますか?
佐野:例えば、イベント待ちの列が長くなっていたら、ここで一旦区切ろうとか、臨機応変に動ける力が付いたと思います。それから、予期せぬことが起こった時に誰かに言われる前に気が付くことや、去年の経験をもとに予想しながら行動する力などもついたのではないかと思います。
高校生のときのオープンキャンパス体験
――皆さんは高校3年生のとき、オープンキャンパスに行きましたか?
佐野:高校3年生だった2020年は、コロナが流行し、受験しようと決めていた拓殖大学をはじめ、どこの大学も対面でのオープンキャンパスに行くことが叶いませんでした。ただ、高校2年生の時は、他大学のオープンキャンパスに行きました。私は、大学を選ぶ基準が「学びたい内容を勉強できるか」「入りたいゼミがあるか」だったので、オープンキャンパスでは主に学部・学科紹介を中心に見学をしました。今思えば、もっとオープンキャンパススタッフに声を掛けて話をすれば、学部のことはもとより、学生生活や、どんな先輩がいるかなども分かったのではないかと思います。
笹目:私は高校3年生だった2021年に、拓殖大学のオープンキャンパスに行きました。よく拓殖大学の学生は明るいと言ってもらえますが、自分自身もその雰囲気を強く感じましたし、オープンキャンパスに来て、「この大学で学びたい」という思いはさらに強くなりました。こうした経験は、学生スタッフとして活動する際にも役立っています。例えば、オープンキャンパスに一人で来た高校生は緊張していると思うので、自分から「どこから来たの?」などと話しかけるようにしました。やっぱり、来てくれた方全員が満足して帰ってもらいたいですからね。
木村:私は、大学では様々なバックグラウンドを持った人と関わり、視野を広げる機会にしたいと思っていたので、高校生の時に行ったオープンキャンパスではそうした点が叶うかを確認していました。拓殖大学は留学生が多く、私が所属しているゼミは、半数が中国人留学生です。キャンパスツアーでは、これらをお話して、拓殖大学は多様性にあふれ、色々な価値観に触れられる環境が整っていることを伝えています。
――拓殖大学のオープンキャンパスの見どころや、来場者に「ココをみて欲しい!」というポイントを教えてください。
笹目:まず、模擬授業はぜひ参加してほしいです。模擬授業を受けることで大学の授業の進め方とか雰囲気を感じて、大学を身近に感じてほしいと思います。それと、大学生が普段食べている学食のメニューを無料で体験できるので、是非学食にも行ってほしいですね。
木村:キャンパスに実際に足を運んで、まずは茗荷谷駅から徒歩3分、東京ドームや池袋にも近いという立地のよさを感じてほしいです。そして、留学制度が充実していたり、留学生が多いといった国際性の高さも感じてほしいですね。あとは、大学の自慢でもあるのですが、うちの大学は学生同士、学年を超えて仲がいいし、教員や職員の方とも距離が近いので、そうしたところを感じてもらえたらと思います。
佐野:私は普段、八王子国際キャンパスに通学しているので、八王子国際キャンパスのオススメをお伝えします。
八王子国際キャンパスは敷地が広く、なんと東京ドーム22個分なので、キャンパスツアーはバスに乗って行います。バスのキャンパスツアーはなかなかないと思うので、特徴の1つになっていると思います。
高校生へのメッセージ
――皆さんの大学に対する想いや、オープンキャンパスにかける想いなどがよくわかりました。最後に、大学選びをしている高校生に、一言お願いします。
木村:恰好つけずに言うと、私は18歳の時はやりたいことが決まってなかったです。そんな私から言えることがあるとすれば、とにかくいろいろな大学を見て欲しいということです。このキャンパスでこんな大学ライフを送るんだ!と入学したときのことを想像して、受験勉強に励んでほしいなと思います。
それと、高校生が保護者とともにオープンキャンパスに来場するケースでは、保護者の方が積極的で高校生はあまり話さないことがあります。実際に大学に通うのは高校生なのですから、高校生自身が主体的にオープンキャンパスに参加して欲しいと思います。
佐野:4年間のうちに、やりたいことが途中で変わることもあるでしょうが、「あれ? どうしてこの大学を選んだのかな」とならないために、どんなことでもいいので、大学を選んだ明確な理由が一つあるといいと思います。例えば○○先生のゼミに入りたいとか、極端な例だと、拓殖大学にはスポーツで活躍している選手がいるのですが、「○○選手に会いたいから拓殖大学を選びました」でもいいと思います。この大学でしかできないことで、自分で決めた目標を持つことが大事ではないでしょうか。
笹目:大学選びをする際には、自分が何を学びたいのか、そして将来どのような道に進みたいのかをじっくり考えることが重要だと思います。その判断によって、大学生活の充実度が大きく変わるからです。私は、政治を学びたいという思いと、歴史ある大学で学びたいという気持ちから拓殖大学を選び、今ではそれが正しい選択だったと感じています。しかし、最も大切なのは、自分に合った大学を選ぶ過程と、その後の4年間をどのように過ごすかということだと思います。
職員インタビュー
お話を伺う方
――先日、文京キャンパスで開催されたオープンキャンパスに伺いましたが、たくさんの高校生や保護者でにぎわっていましたね。2日間で何名くらい来場したのでしょうか?
矢部:ありがとうございます。1日約2,200名、合計4,400名に来場いただきました。オープンキャンパスで本学の良さを知ってもらおうと、さまざまな工夫をしていますが、おかげさまで来場者は年々増加しています。
――オープンキャンパスは、どのような体制で準備・運営をされたのでしょうか?
小楠:オープンキャンパスは、入学課と広報部の職員総勢23名が担当し、企画・運営をしています。加えてオープンキャンパス当日は1日約130名、計260名の学生にも協力してもらいました。
――キャンパスツアーについて、先ほど学生も話していましたが、何を話すかは学生に任せているようですね。
小楠:回る順番など最低限のことは伝えますが、あとは学生が考えて、自分の言葉で話すように伝えています。そのほうが学生の素の良さが伝わると思いますし、学生は、大学に貢献したいという思いでスタッフに応募してくれているので、とにかく学生を信頼して「失敗してもいいから、やりたいようにやってみて」と話しています。当日の朝のミーティングでも、細かいことは言わず、学生の士気を高めて、背中を押す感じです。
矢部:学生は、一緒にオープンキャンパスを作ってくれる「同志」ですね。
――職員も学生も「大学の魅力を伝えたい」という同じ思いを持ってオープンキャンパスを運営しているのですね。
プログラムはどれも充実していましたが、特に「学生プレゼン~拓殖人材の証明~」はどの学生もすばらしい発表でした。
矢部:この企画では学生の成長も感じて欲しいのですが、高校生や保護者に一番伝えたいのは、拓殖大学には「国際性」「人間性」「専門性」を伸ばすフィールドがあるということです。フィールドがあるから、どの学生にも伸びるチャンスはあり、プレゼンをした学生が特別なのではないのです。大事なのは、「一歩踏み出すかどうか」なんですよ。オープンキャンパスもスタッフを務めた学生にとって成長する機会になっていますが、プレゼンした学生もこのオープンキャンパスでの経験を経て、成長しましたよね。
小楠:そうなんです。最初からプレゼンが上手な学生を選んだわけではなく、これを機にすごく成長したんです。私は笹目君のプレゼンの練習に立ち会い、アドバイスもしましたが、彼自身がとても努力して上手になったんです。他の学生に聞いた話ですが、彼は一人でカラオケボックスに行って練習していたそうです。本人は一言も言わなかったのですけどね。そういった努力が実を結んで、プレゼンは大成功でした。見にきてくれたゼミの先生が涙を流して感激していました。
――お二人がオープンキャンパスで「ココを見てほしい」と思うところは、どこでしょうか?
矢部:一番は、実際に通っている学生を見てほしいと思います。高校生にとって、ちょっと年上のお兄さん、お姉さんの生の声は響きますよね。大学は学生が主役ですし、私たちもすばらしい学生を見て欲しいです。
小楠:本学のオープンキャンパスの来場者は右肩上がりですが、もっと来場者を増やしたいですね。特に、高校1,2年生や、留学生に気楽に来てもらえるようなオープンキャンパスにしていきたいです。
オープンキャンパスは高校生向けの広報であると同時に、インナーブランディングを高めるチャンスでもあると思っています。つまり、オープンキャンパスで、外部の人に大学のよさを知ってもらい、携わってくれた学生が自分の大学の良さや魅力に気が付き、拓殖大学に入学してよかったと思ってくれる機会にもしていきたいと思います。
取材を終えて
インタビューした学生全員が、「大学への恩返しがしたい」「大学に貢献したい」と、大学への感謝の気持ちを持って、オープンキャンパスに携わっていたことが印象的でした。また、学生自身が、どうしたら良いかを考え、細かいところまで配慮しながらオープンキャンパスを作り上げていることがわかり、ついインタビューを忘れて聞き入ってしまいました。傍らでインタビューを聞いていた職員も、学生の成長を感じたのでしょうか、思わず唸る場面もありました。
このマガジンの第2回目の記事では静岡県立大学、そして前回と今回では拓殖大学のオープンキャンパスについて、関係者にお話を伺いました。大学選びをするにあたって、オープンキャンパスは実際に通っている学生の姿を見て、話すことができる貴重な機会なので、ぜひ複数の大学のオープンキャンパスに足を運んでほしいと思います。なぜその大学に行きたいのか、自分はどんな大学生活を送れるのか、きっといろいろなことが見えてくるはずです。
近年、学生が受付やキャンパスツアーを行う大学が増えています。大学を選ぶ高校生にとっても、大学の魅力を伝える学生にとっても、オープンキャンパスが意義深いものになることを期待しています。
インタビュアー 総務部総務企画課 蔦美和子、串田藍子、井上陽子