大学を知ることから始めよう!|1000分の1の出会いのために #1
1000の大学があれば、1000の校風・特色がある
2024年7月現在、国内には約800の大学、約300の短期大学があります。大学はそれぞれ設立の理念や建学の精神を踏まえ、独自の校風を醸成してきました。1000校の大学があれば1000の校風、特色があります。
大学を選ぶ際は、「将来看護師になりたいから看護学部のある大学」「心理学に興味があるから心理学を学べる大学」「自宅から通える国立か公立大学」などと考えながら、志望校を絞っていくと思います。では、どの段階で第1志望が決められていくのでしょうか?
先日、大学関係者の方とお話しする中で、気になることがありました。最近の傾向として、さまざまな大学の情報を集めたり足を運んだりすることなく、気になる大学のホームページ等から、早い段階で志望校を絞っている人が多いのだそうです。大学進学率が上昇する一方で、「転学等」や「学生生活不適応・修学意欲低下」などを理由に、年間約5万人以上もの退学者*がいることを考えると、十分に大学調べを行っていないことが大学のミスマッチを引き起こす一因となり、退学につながっているようにも思われます。
まずは、大学ではどのようなことが学べるのか、それぞれの大学にどのような特徴があるのか、いろいろな情報にあたり、比較検討しながら、広い視野で大学選びを進めてみてはいかがでしょうか。1000校を超える大学・短大から、本当に自分に合う大学を見つけ出し、有意義な学生生活を送ってほしいと願っています。
*文部科学省「令和4年度 学生の修学状況(中退者・休学者)等に関する調査結果」による
まずは大学の情報を集めよう
最近は、インターネットを使って容易に情報を得られる時代になりました。どの大学にどんな学部があるのか、著名な○○先生の授業はどの大学で受講できるのかなども、インターネットでなら簡単に調べることができます。インターネットは一瞬で世界中の情報が手に入る便利な道具ですが、どんな人が書いたものか、信頼できる情報なのかを受験生が判断しづらい場合もあり、特に「口コミ」や「噂」のようなものには注意が必要です。
① 大学評価結果の活用
では、信頼できる情報とは、どのようなものでしょう?
あまり知られていないのですが、すべての大学は、7年以内に1回、文部科学大臣が認証した評価機関が行う評価(認証評価)を受けることが法律で義務付けられています。こうした、第三者が客観的に評価した結果には、優れた点も改善すべき問題点も書かれていて、唯一無二の貴重な情報源になっています。
私たち大学基準協会は、文部科学大臣から最初に認証された評価機関で、大学からの申請を受けて、毎年数十大学の評価を行い、その結果を「大学評価結果」としてまとめ、HP上で公開しています。
この「大学評価」をぜひ大学選びに活用してほしいと思います。
評価結果の読み方については、以前の記事にわかりやすくまとめています。
各大学の評価結果を読んでみたい方は、こちらからどうぞ。
⇒「評価結果検索ページ」はこちら
② 長所検索ページの活用
大学は「みんなちがって、みんないい」―どの大学にも、評価されるべき、素晴らしい取組みがあります。
私たちは、上記のとおり「大学評価」の結果をHPに掲載するとともに、大学評価で優れた点として評価された各大学の取組み(「長所」と呼んでいます)を誰でも簡単にみられるよう、「長所・特色検索ページ」も作りました。⇒「長所・特色検索ページ」はこちら
【長所検索方法】
例えば、大学に進学し、4年間の間に留学をしたい、または外国人留学生を多く受け入れている大学を見つけたいと考えているAさんは…
「関連タグ」で「国際」を選んで検索してみましょう。
(または、キーワードに「国際」と入れて検索することもできます)
こうすることで、本協会の評価結果において、「国際」というキーワードに関連する長所がつけられた大学がピックアップされます。この中から、「看護系の学部がある大学」とか、「関東圏にある大学」など、学べる内容やその他の条件と組み合わせて大学を絞り込んでいくことができます。
2018年度以降に本協会の評価を受けた大学という限定された条件にはなりますが、このように、「長所検索機能」を利用することで、自分の希望に沿った大学を探し出すことができ、さらには長所とされた取組みの詳細な内容を知ることもできますので、ぜひ、活用してみてください!
「長所・特色検索ページ」については、こちらの記事で詳しく説明しています。
興味のある大学が見つかったら…
気になる大学が見つかったら、もっと知りたいと思った大学があったら、
とりわけ、夏休みを中心に開催されるオープンキャンパスには、ぜひ行ってみましょう。実際にキャンパスに足を運んで大学を見ることで、紙面やスマホの画面から得た印象が大きく変わることもあります。近年、学生が企画や当日の運営に携わっているオープンキャンパスが増えています。在校生と直接お話しできるチャンスでもあります。ぜひ学生生活や受験について積極的に質問してみましょう(参加には予約が必要な大学もあります。確認の上、お出かけください)。
いかがでしたか? 次回のこのマガジンでは、私たちが実際に大学のオープンキャンパスに行き、オープンキャンパスを運営する大学の教職員や学生の方へインタビューした内容をお届けします!オープンキャンパスで伝えたい思い、どういった点を意識してオープンキャンパスを見てほしいかなどについてレポートします。どうぞお楽しみに!
総務部総務企画課 蔦美和子、串田藍子、井上陽子