※本記事は、2023年11月に開催した「大学進学セミナー」における静岡県立浜松北高等学校の大村勝久先生によるご講演内容をもとに本協会で構成したものです。
はじめに
大学数の増加や入試制度の多様化などで、高校生の大学選びは以前よりも複雑になってきています。せっかく入った大学を中退する学生が年間約6万人いることや、中退はしないまでも大学に馴染めないケースも少なくないことから、自分に合った大学選びの重要性はますます高まっています。
大学選びにおいては、信頼できる情報を得て、興味のある大学について詳しく調べることが欠かせません。私たち認証評価機関が、第三者の視点で客観的に評価した大学評価結果を、皆さんにぜひ活用していただきたいと思います。
大学評価結果が大学情報として優れているのはナゼ?
大村先生は、次の2点を大学評価結果の優れた点として挙げています。
大学評価は、ランキングや偏差値のように各大学を相対的に評価するものではなく、それぞれの大学が自らの理念・目的をどの程度達成しているか、自らの教育研究等の質を保証できているか、という観点から行われています。そのため、評価結果を読むことで、各大学の教育研究などの取組み状況や、効果が上がっている点、課題等、様々なことが見えてきます。こうした情報が、大学選びに役立つのです。
進路指導における活用事例
具体的に、大学選び・進路指導に評価結果をどのように活かすことができるのか、大村先生の活用事例を見てみましょう。
評価結果を身近に感じるためのおススメ方法
上の3つの事例から分かるように、評価結果は、その大学をより深く理解するための有用な資料の一つといえますが、初めてご覧になる方にとって、数十ページに及ぶ膨大な文章を読むというのはややハードルの高い作業といえます。大村先生は、まずは馴染みのある自分自身が卒業された大学の評価結果を読んでみるということをおススメされています。
認証評価(大学評価)を行っている評価機関は2024年2月時点で5団体あり、大学は、7年以内に1度、そのいずれかの団体で評価を受けることになっています。評価結果は各評価機関のホームページ、またはすべての大学の評価結果を検索できる認証評価機関連絡協議会のホームページからご覧いただけます。
大村先生はご自身の大学(出身校)の評価結果を読んだ感想を次のようにお話してくださいました。
なるほど! 最も良く知る大学である出身校の評価結果を読んでみると、評価結果が身近なものになり、評価結果への理解も深まりますね。ご自身の出身大学がどのように評価されているのか、これまで知らなかったことも見えてくるかもしれません。
まとめにかえて
今回は、高等学校の先生が、評価結果を進路指導に活用している実例をご紹介しました。大学基準協会としても、現場で利活用されているお話は大変貴重で有益でした。
大村先生は、講演の結びの部分で「大学評価は生徒に合った大学探しの大きな指標になる」と力強くおっしゃいました。そして、「卒業生が訪ねてきて、近況報告として『僕が進学した大学は素晴らしいから、後輩に勧めてほしい』と、笑顔で語ってくれることが何より嬉しいです。今後も志望校選びの一つの指標として、進路指導の場で積極的に評価結果を活用していきたいと思います。」とも話してくださいました。
本協会の大学評価は、大学関係者を中心に多くの方々のご協力のもと、たくさんの時間と労力をかけて行っています。そうしてできあがった評価結果がこのように活用され、大学生の充実した学生生活に繋がっているのであれば、本協会としてもこれほど嬉しいことはありません。
今回の記事を参考に、より多くの高等学校で大学評価結果を大学選びや進路指導に活用いただければ幸いです。
※「改めて大学評価について知りたい!」という方は、このマガジンの過去投稿を併せてご覧ください。