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#4 大学評価に関する素朴な疑問

 このシリーズでは、大学評価のことをもっと皆さんに知っていただくために、評価機関だからこそお伝えできる情報をいろんな観点からお届けいたします。4回目となる今回は、大学評価について知らない人からよく聞かれる素朴な疑問について、お答えします。

はじめに

 大学関係者ではない一般の人々にとって、大学評価というのは、まだあまり馴染みのないものではないかと思います。友人や知り合いに何の仕事をしているのか聞かれた時、概略を説明しても、「評価をして大学をランキングしているの?」とか、「問題のある大学を見つけ出すために評価をしているの?」などと聞かれることも珍しくありません。そこで今回は、よく聞かれる大学評価についての5つの質問についてお答えします。

Q1.大学評価は何のために行うの?

 簡単に言えば、優れた点はさらに伸ばし、課題は改善を促すことで、大学により良くなってもらうために評価を行っています。大学は、自らが定める教育目的に沿って教育を行い、学生を成長させて社会に送り出す役割を担っています。ですから、評価を通じて大学を良くするということは、学生のためと言っても過言ではないと思います。
 実際に本協会が示している大学評価を行う目的は、以下の3つです。1つ目は大学の質を社会に対して保証すること、2つ目は大学の改善・向上を支援すること、3つ目は大学が果たす説明責任を支援すること、です。 

<大学基準協会が行う大学評価の目的>
① 本協会が定める「大学基準」に基づき大学の諸側面を包括的に評価することを通じて、大学の教育研究活動の質を社会に対し保証すること。
② 大学評価結果の提示、評価を通じて見出された改善を要する事項(「改善課題」、「是正勧告」) に関する報告書(「改善報告書」)の検討とその結果の提示といった一連のプロセスを通じて、大学の改善・向上を継続的に支援すること。
③ 評価を通じて大学の社会的存在理由を明らかにすることに貢献し、大学が社会に対して説明責任を果たしていくことを支援すること。

Q2.誰が評価しているの?

 基本的には、本協会の正会員大学の教職員が評価者となり、他大学の評価を行っています(これをピア・レビューといいます。)。毎年、大学から評価の申請を受けて、その大学の設置形態(国・公・私)や規模、特性、地域性等を考慮し、予め評価員の候補者として登録されている教職員リストから評価者を選定します。1つの大学につき、教員4名、職員1名の計5名で評価チームを編成しています。

Q3.どうやって評価しているの?

 評価を受ける大学は、予め自らの活動を自己点検・評価し、その結果を点検・評価報告書としてとりまとめて本協会に提出することが求められています。評価者は、この点検・評価報告書を読み込み、教員数や学生数といった各種データや点検・評価報告書のエビデンスとなる膨大な根拠資料を確認しながら、大学が自らの理念や教育目的の達成に向けて何を行っているのか、その達成のプロセスや成果をみていきます。
 また、評価においては、点検・評価報告書や各種根拠資料を用いた書面上の評価だけでなく、実際に大学を訪問して、教職員等と話す機会(実地調査)を設けています。
 詳しくは、同シリーズの#3「大学評価はどのように行われているの?」をご覧ください。

Q4.大学は評価を受けないといけないの?

 1947年に設立された本協会は、これまで長きにわたって評価を行ってきましたが、しばらくの間は質の向上を目指す大学が自身の判断により任意で評価を申請していました。しかし、学校教育法の改正により、2004年度からすべての大学は7年以内に一度、評価(文部科学大臣が認証した評価機関による評価)を受けることが義務付けられ、現在ではすべての大学が必ず評価を受けなくてはならなくなっています。

Q5.大学基準協会が行う大学評価は、他機関が行う大学評価と何が違うの?

 文部科学大臣から認証された評価機関は複数あり、評価機関ごとに評価基準や評価システムが異なります。本協会は、最も歴史のある評価機関として、これまでの評価の経験やノウハウ、また調査研究事業の成果を踏まえ、より適切な評価を目指して改良を重ねています。
 例えば、現在、大学自身が自らの活動の質を保証する「内部質保証」の考え方が重視され、各評価機関は大学の内部質保証について評価を行っていますが、この「内部質保証」の評価をいち早く取り入れたのが本協会です。
 また、丁寧で的確な評価に対しても、評価を受けた大学から好評いただいています。 

おわりに

 いかがでしたでしょうか?大学評価について少しでも興味が広がり、本協会のホームページや評価結果などを見るきっかけになればとても嬉しいです。大学評価について質問のある方は、ホームページの「お問い合わせ」から受け付けておりますので、ご活用ください。