大学の学びを知る、いくつかの方法|1000分の1の出会いのために #5
このマガジンの#2から#4では、夏に開催されたオープンキャンパスについてお伝えしました。大学では、秋から冬にかけて各種の入試が行われることもあり、オープンキャンパスの開催数は減る傾向にあります。しかし、大学選びに季節は関係ありません(笑)。オープンキャンパス以外にも、大学の学びを深く知るチャンスはあるんです。
① 大学の授業を受けてみる
オープンキャンパスでの模擬授業(体験授業)以外に、受験生向けの体験授業を行っている大学もあります。
日本赤十字看護大学「高校生向け公開講座」
正規の授業を大学生と一緒に受講します。一般教養科目「英語(リーディング)」や、専門科目「看護の歴史」「災害看護学」、90分の授業を2コマ連続で受講する演習科目「基礎臨床看護論」など、計10講座が開放されており、内容をシラバス*を見て各自で確認して申し込みます。学生と一緒に実際の授業を受けられるので、貴重な体験ができそうですね。
*シラバス:講義などの内容や進め方を示す計画書。学生は主にシラバスを参考にして、受講科目を決定し、時間割を組み立てていきます。
東京女子大学「1日東女生|キャンパス体験day」
祈りの時間と当日開講される18科目の中から選んだ2コマの授業を1日で体験するプログラムです。途中、学食でお昼ご飯を食べることもでき、朝から夕方までほぼ1日大学に滞在し、「大学生」の1日を体験できるプログラムです。自宅から通う予定の人は、朝、家を出かけるところから通学経路を含めて体験できますね。2024年度の場合、当日は一斉に授業を受ける講義のほかに、少人数で専門を学ぶ演習(ゼミ)にも参加できるそうです。大学生になったつもりで、授業やキャンパスライフを楽しんでみてはいかがでしょうか?
② 研究発表を聞いてみる
大学に足を運んで、学生の研究発表などを傍聴してみてはいかがでしょう? 次で紹介する2校は、学園祭で学修の成果物の展示や発表を行っています。
早稲田大学「理工展」
早稲田大学西早稲田キャンパスで開催される、同大学理工系学部の学園祭。ステージパフォーマンスや模擬店などの他、プロジェクションマッピングや理系ならではのイベントもあります。研究内容のパネルの展示、学術発表、教授による研究室ツアーもあり、大学選びの情報も得られそうですね。
慶應義塾大学三田祭「三田祭論文」
「三田祭論文」とは、慶應義塾大学の学園祭「三田祭」に向けて商学部などの各研究会(ゼミ)が作成する研究論文のことで、 三田祭当日は、展示等により、学内はもとより、広く一般に向けて研究成果を発表しています。
※下記ページの検索窓に「三田祭論文」と入れて検索してみてください。
③ Web上の講座を利用する
実際に足を運ぶのが一番ですが、遠方にあるなど、なかなか足を運べない大学でも、パソコンやスマートフォンから大学の情報を得ることができます。中には、動画で大学の学びを紹介している大学もあります。それらを視聴することで、自分の興味の対象が明確になったり、進むべき方向が見えてくるかもしれません。
東京大学 「高校生と大学生のための金曜特別講座」
東京大学教養学部が主催するオンラインの公開講座。東京大学の学生の3年次以降の専門分野の選択や、高校生の進路選択に役立つ講義をライブ配信しています(アーカイブ配信もあります)。コロナ禍前は対面で開催していましたが、現在はオンラインでの開催です。
東京理科大学 「坊ちゃん講座」
主な対象者を高校生・中学生に設定した公開講座。教員が研究内容と足跡を語ります。ちなみに、講座の名称の由来は、夏目漱石の小説「坊ちゃん」の主人公が東京理科大学の前身の東京物理学校出身という設定からだそうです。こちらも以前は対面で開催していましたが、現在はオンラインでの開催です。
東京経済大学 「東経大Live」
「社会科学の世界を知るきっかけに」「進路を考えるヒントに」とのキャッチフレーズのもと、教員のミニ講義をライブ配信。身近な疑問から、大学での学びへと、教員がつなげてくれます。質疑応答の時間もあるので、あなたの質問に教員が回答してくれる機会もあるかもしれません。
東洋大学「動画で見るWeb体験授業」
全学部の教員が、テーマに沿って学問の魅力を伝える動画コンテンツです。興味・関心のある分野から動画を検索したり、キーワードで絞り込むこともできます。現在、14学部から、計140の動画を視聴することができます。
いかがでしたか? 今回ご紹介したのは、ほんの一例で、大学は様々な方法で大学の学びを高校生に紹介しています。大学の授業を体験したり、動画などを聴講したりすることで、大学の学びを深く知り、志望校の選択や「この分野を学びたい」というモチベーションにもつながります。また、同じ学部・学科名でも目指す目的によって学べる内容が大きく異なることもあるので、今回ご紹介したような、大学をより深く知る機会を積極的に利用することで、大学の学びについての情報を集めていくといいでしょう。
総務部総務企画課 蔦美和子、串田藍子、井上陽子