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JUAA職員の仕事 #5 企画・調査研究課編

 大学基準協会で働く職員は日々どのような仕事をしているのでしょうか? そんな疑問にお答えするため、連載企画「JUAA職員の仕事」では、各職員の担当業務の紹介やそれぞれの仕事の思い出、仕事に対する考えなどをインタビュー形式でお届けします。
 第5回目は、本協会の評価システムの構築や改善、大学の教育研究活動の向上のための調査研究を担当する企画・調査研究課に所属の2人にお話を聞きました。


大学基準協会事務局組織図

職員自己紹介

Q:まずは2人の本協会での経歴、現在の担当業務を教えてください。

M課長:私は、新卒で入局し、大学や専門職大学院の認証評価業務を担当した後、長年、企画・調査研究課の仕事に携わってきました。
 企画・調査研究の業務は非常に幅広く、「企画」という部分では、本協会の評価システムの設計に関する検討や高等教育政策に関する意見書の取りまとめ、「調査」という部分では、協会内の大学評価研究所で実施する調査研究の企画及びその実施があります。
 また、調査研究の成果を社会に公表するためのシンポジウム等の開催や刊行物の発刊、報告書の作成等の業務も担当しています。現在は企画・調査研究課長としてこれらの業務を統括する立場で仕事をしています。

K:私は新卒で入局後、2年ほど大学や専門職大学院の認証評価業務を担当し、その後、企画・調査研究課に異動して今年で5年目になります。
 部署の仕事の詳細についてはM課長からお話がありましたが、本協会の評価システムの検討や評価に関する調査研究、研究誌の刊行(『大学評価研究』『大学職員論叢』)、シンポジウム等のイベントの開催が私の主な業務です。

Q:ところで、それぞれの入局のきっかけはどのようなものでしたか?

M課長:私の入局のきっかけは、大学のキャリアセンターで求人票を見つけ、そこに書かれていた条件が「ワードやエクセルが使用できること」という決して厳しくない応募条件に惹かれたことでした。。。(笑)
 というのは冗談でして、大学、大学院と学んでいく過程で、大学教育に興味を持つようになり、やがて教育関係の本を手に取るようになっていきました。そうした中で、本協会の活動について書かれたものがあり、求人票を見つける以前から本協会のことは何となく知っていました。
 また、大学院修了後は、何らかのかたちで学術・文化や教育研究の発展に貢献したいと思っていたところ、縁あってこちらに就職することとなりました。

K:私は、大学院時代に政策評価に関する授業を受け、評価に関心を持ちました。大学院修了後は、公共性や公益性の高い仕事に就きたいと思っていて、ちょうど本協会の職員募集があったことから、応募し、現在に至ります。

思い出に残る仕事(プロジェクト)について

Q:企画・調査研究課の業務に従事する中で、思い出に残る仕事(プロジェクト)は何ですか?

M課長:先ほど我々の業務は幅広いとお話ししましたが、例えば、調査研究の仕事では、海外の大学や評価機関を訪問してヒアリング調査を実施することがよくあります。以前、ある海外調査に同行した際、ご一緒した大学の先生と評価に関する最近の研究動向についてお話しする中で、私がかねてより注目していた著名な研究者の話をしたところ、先生がその研究者と知り合いだということが分かり、急遽ご本人に連絡を取っていただき、お会いできたということがありました。まさに「この仕事をやっていてよかった!」と感じる瞬間でした。また、それと同時に国内外の第一線の研究者と一緒に仕事をしていることを強く感じた経験でもありました。

K:今年度、調査研究の一貫として大学に在籍する学生へのインタビュー調査に同席したことがありました。インタビューでは、学生の日々の学習状況や大学での経験談を聞くことができ、何事にも主体的に取り組む学生の方々の様子を窺い知ることができました。自分の仕事の意義や使命をより実感できる大変貴重な機会となりました。

本協会で働くことの意義について

Q:本協会で働くことの意義についてどのように考えますか?

M課長:まず私自身にとっての意義ですが、日々の仕事を通じて、大学関係者をはじめ、大変多くの方々と関わる機会があります。先ほどお話ししたように、各分野の第一線で活躍される著名な方々ともご一緒することが多々あり、そうした方々の仕事への向き合い方や物事に対する考え方などに触れる経験は自身の大きな成長につながっており、こうした部分にやりがいや意義を感じています。
 一方、本協会の仕事が持つ意義を考えてみると、私は、調査研究を行い、その成果を大学に還元することで、大学をより良くしていくことであると理解しています。そして、こうした仕事は評価機関であると同時に調査研究機関でもある本協会ならではの仕事であると自負しています。
 また、もう1つ挙げておきたことがあります。少し前にインドの評価機関から、同機関が主催するセミナーの講師の依頼を受け、日本の教育制度や質保証の仕組みについて説明したことがありました。そこでは、日本の大学を認知してもらい、質の高い教育活動が行われていることを多くの方に理解してもらうことができました。このような活動を通じて、国内外問わず日本の高等教育の発展に寄与していくことも本協会職員の重要な役割であると認識しています。

K:仕事をしていると、「これからの大学はどうあるべきか?」といった根本的な問いに対して正面から向き合うことが多いです。そして、こうした問いに対して、本協会に関わる大学関係者からさまざまな意見が示されます。その中で、本協会の考え方や価値観を明らかにしていくことは当然難しい作業になりますが、だからこそ、職員としてこうしたことに関われることにやりがいやおもしろさを感じます。
 本協会では、大学の教職員や産業界の方々が集まり、今後の大学のあり方を見据えてその基準や評価方法を決定します。その過程では、さまざまな議論があり、事務局である私はそうした意見や多様な価値観に触れながら、どうやって1つの評価基準や評価方法に収斂させていくかということを考えています。そうして完成したときには達成感ややりがいを感じることができます。

今後の目標について

Q:最後に今後の目標を教えてください。

M課長:先ほどからお話ししているように、本協会の仕事のおもしろさは、これからの大学を考えるさまざまな立場の方々にお会いできる部分です。ただ、私もこれまで数えきれないほどの大学関係者と一緒に仕事をしてきましたが、その一方で、実際に大学に通う学生の方々とはほとんど一緒に仕事をしたことがありません。
 諸外国では、評価において学生の意見を積極的に取り入れようとする動きがあり、そもそも学生参画は、大学にとっても学生にとっても意義のあることだと思っています。ですので、本協会でも評価などへの学生の関与について本格的に検討してもいいのではないでしょうか。諸外国の事例等を参考にしながら、その条件や方法を探っていくことを今後の目標にしたいと考えます。

K:現在、2025年度から予定している第4期目の大学評価に向けた評価の制度設計や実際の評価基準の策定業務を担当しています。まずは、この仕事をしっかりやり遂げたいと思っています。また、本協会では、質保証に関する国際ネットワークを今後さらに強化していく予定ですので、そうした部分にも携わっていきたいです。

(おわり)

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