大学基準協会の「認定マーク」とは?
こんにちは。
すっかり夏になりました。
突然ですが、みなさんは大学基準協会の「認定マーク」をご存じでしょうか?
本協会では、大学の教育研究活動の質の保証と、その活動の改善・向上を継続的に支援することを目的として評価活動を実施していますが、各種評価において本協会が定めている評価基準に「適合」していると認定された大学等に、認定マークを交付しています。
実際の本協会の認定マークの例を見ていきましょう。
このように、本協会が交付するすべての認定マークは、大学基準協会の英語名称である「Japan University Accreditation Association」の文字がロゴマークを囲み、その下に評価の種別名(英語)、適合を表す「ACCREDITED」、そして認定期間が入ったデザインになっています。
私自身、業務の中でこの認定マークを目にしていたのにもかかわらず、マークが作成された経緯をこれまで意識したことが恥ずかしながらなかったのですが、いざ注目してみると、「いつからこの認定マークはあったのだろう?」「そもそもなぜ認定マークが作られたのだろう?」と疑問が浮かんできました。
今回は本協会の認定マークがどのようにして作られたのか、認定マーク導入当時の資料をもとに見ていきたいと思います。
認定マークの導入に関する検討
認定マークが作成された経緯を遡ってみると、2000年9月1日に実施された理事会で本協会をあらわすマークの導入について初めて審議されていたことがわかりました。当初は本協会の認定証や各種印刷物等に使用する汎用的なマークを導入しようといった形で審議されていたようです。
当時の理事会の議事録を見ていくと、中核となるマークのデザインは、ある美術大学の教員に造形を依頼し、本協会の歴史や海外のアクレディテーション団体のマークを参考に作成された旨が報告されています。
さらに、その後の議事録を辿っていくと、それ以降何度かデザインの修正が行われており、理事の方々のさまざまな意見を踏まえて、マークが作成されていたことが窺えます。
こうした経緯を経て、最終的に本協会の「ロゴマーク」が誕生しますが、同時にそれを使用して「認定マーク」も作成しようという動きが出てきます。これにはどのような背景があったのでしょうか?
認定マーク導入の背景
当時の議事録からは、認定マークの他に、評価項目や評価プロセスの充実化等、これからの本協会の評価のあり方についても検討が進められていたことが分かります。このように本協会の今後を見据えていく中で、本協会の評価とはどのようなものかを提示し、また、その評価を受けることの意義を大学に実感してもらうためにも、評価を受けた証のようなものが必要になってきたのではないかと思われます。
実際に、2001年10月3日に開催された「本協会のあり方検討委員会小委員会」の配付資料の「認定マークについて」には、マークを導入するねらいとして、「大学評価を通じ、大学の改善向上とその質の保証を行う団体としての大学基準協会のアイデンティティを確立することにある」としています。
さらに、同資料には認定マークを設けることの意義について「(中略)大学として高い水準にあることを、社会に対してアピールできる」と記されていました。
この小委員会では、認定マークの導入について好意的な意見が挙がり、引き続き理事会において検討されていきました。
認定マークの導入
こうして約2年にわたり検討が重ねられてきた認定マークですが、2002年6月26日の理事会で正式にデザインが決定し、さらに同年9月11日の理事会において、「認定マークの使用に関するガイドライン」が承認されました。認定マークは、1996年度(本協会が大学自身の自己点検・評価に基づく大学評価を開始した年)以降に大学評価を受けて認定されたすべての大学に対して交付を行うことになり、大学が作成する印刷物やホームページへの使用も認められました。
おわりに
私自身、見慣れていたマークでしたが、多くの大学関係者による検討の末に出来上がったものであることを知り、改めて認定マークの重みを感じました。
認定マークの作成から約20年が経ち、この間に認証評価制度が始まるなど、本協会の評価においてもさまざまな変化がありましたが、大学の質を保証する証としての認定マークは当時から変わることなく今日まで受け継がれています。
近年では大学ホームページや大学案内等のパンフレット、そして教職員の名刺にも認定マークを入れてくださっている大学があります。
もし、どこかで本協会のマークを見かけた際は、「大学基準協会の評価で『適合』認定を受けている大学だ!」と思い出してもらえると嬉しいです。