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JUAA職員の仕事 #3 評価第2課編

 大学基準協会で働く職員は日々どのような仕事をしているのでしょうか?そんな疑問にお答えするため、「JUAA職員の仕事」では、各職員の担当業務の紹介やそれぞれの仕事の思い出、仕事に対する考えなどをインタビュー形式でお届けします。
 第3回目は、専門職大学院の認証評価や、獣医学教育、歯学教育の分野別評価を行う評価事業部評価第2課に所属の職員3人にお話を聞きました。

大学基準協会事務局組織図

職員自己紹介

Q:まずは3人の本協会での経歴や担当業務を教えてください。

MI:私は2014年に民間企業から転職して今年で8年目になります。入局後は、審査・評価系(当時)において大学評価を数年担当した後、評価第2課へ異動して、ビジネススクールなどの専門職大学院認証評価を担当してきました。近年は、ビジネススクールに加えて、公衆衛生やデジタルコンテンツ分野の専門職大学院に対する認証評価業務も行っています。
 
MA:私は2020年に中途採用で入局しました。入局後は評価第2課に配属され、主に公共政策大学院や法科大学院等の専門職大学院認証評価を担当しています。
 
Y:私は大学卒業後、2016年に新卒で入局しました。最初は審査・評価系(当時)に配属され、数年間大学評価や短期大学認証評価を担当していましたが、途中から兼務で評価第2課が実施する獣医学教育に対する分野別評価にも関わっていました。その後、評価第2課に異動して、現在は主に獣医学教育や歯学教育に関する分野別評価を担当しています。

Q:そもそも、3人が本協会に入局したきっかけは何だったのでしょう?

MI:大学進学時の話になりますが、私の場合、これを学びたいからこの大学に行くという大学選びではなく、入学試験の結果で大学を選びました。そうして入学した大学では、自分のやりたいことがなかなか見つけられずにいました。
 自身のこうした経験から、大学選びにおいて、大学がどのような場所で、各大学にどのような魅力があるかなどについてもっと知る機会が必要であると感じていました。そうした中で、評価を通じて大学の情報を社会に発信する本協会の事業に興味を持って応募することにしました。
 
MA:私は、大学と大学院で教育心理学を専攻してきました。学びのメカニズムや学校教育について研究する中で、次第に人々の学びを支援するような仕事に就きたいと思うようになりました。本協会の募集要項を見た際、大学を評価するという仕事に大変興味を持ち、詳しく調べる中で、そうした評価が最終的には学生の学びを支援することにつながることを知り、応募しました。
 
Y:私の場合は、大学に関わる仕事がしたいと思いながら就職活動をしていました。そうした中で、大学のキャリアセンターで本協会の求人票を発見して、興味を持ちました。当時、いわゆる文系不要論などが大々的に取り上げられていたタイミングであり、これからの大学教育が構想される重要な時期でした。そのこともあり、自らもそうした大学改革に関与できる仕事に就きたいと思い、応募しました。
 余談ですが、どうやら私が応募する前年度に出身大学の認証評価があったようで、キャリアセンターの方から評価が大変だったという話も聞きました(笑)。

思い出に残る仕事(プロジェクト)について

Q:評価第2課の業務に従事する中で、思い出に残る仕事(プロジェクト)は何ですか?

MI:専門職大学院認証評価では、その評価基準において理論と実務を架橋する教育の実施を各大学院に求めていますが、数年前にこの部分の評価内容を巡って、大学院側から異議を申し立てられたことがありました。
 各大学院は、自らの教育に誇りをもって日々教育活動を実践していますので、理論と実務を架橋する教育とは何か、そして認証評価のあるべき姿とは何かを改めて考える機会となりました。
 
MA:私は、以前担当したある大学院の実地調査が思い出に残っています。当初、大学院側から提出された評価資料では実際の教育内容がほとんど分からず、実地調査において大学院の関係者に直接確認しなければならない事項が数多く出ていました。そのため、書面評価の段階では、評価者の方々はかなり困惑している様子でした。
 しかし、いざ実地調査が始まると、そうした素振りは一切見せず、大学院の状況にも配慮しながら必要な情報を冷静に確認していました。そして、その後の評価者同士の打ち合わせでは、当該大学院が今後より良い教育活動を展開できるようにするには、各基準の評価をどうしていくべきかについて真剣に議論していました。
 同じ大学人として、大学院の更なる発展に貢献しようとする評価者の方々のこうした姿勢に大変感銘を受けました。まさにピア・レビューの精神を体感した瞬間でした。
 
Y:私は担当している獣医学教育評価についての思い出です。この獣医学教育評価は分野別評価の1つであり、法律に基づく認証評価とは異なって、評価を受けることはあくまで大学側の任意となっています。そのため、認証評価以上に評価を受けることの意義が問われることになります。特に、分野別評価では、カリキュラムの適切性を細かく確認していきますので、評価者をサポートする我々事務局においても当該分野の教育内容に関する一定の理解が求められます。
 文系学部出身の私にとって、こうした新たな学問について理解を深めていくというのは大変な作業でした。1年目は、上司にサポートしてもらいながら、どうにか対応できましたが、このままではいずれ行き詰ると感じて、2年目以降は、分からないことがあれば、些細なことでも評価者や上司に質問してその場で疑問を解消することを心がけました。そうして経験を積んでいく中で最近ようやく少し理解できるようになったと感じています。

本協会で働くことの意義について

Q:本協会で働くことの意義についてどのように考えますか?

MI:本協会は大学団体であり、実際に会員大学からの会費や評価手数料で各事業が運営されています。このことを心に留めて、自らの業務が大学の発展に貢献しているかを常に意識しながら働くようにしています。
 
MA:私が担当する公共政策系専門職大学院認証評価では、公務員志望の学生の減少などもあり、公共政策大学院が担う役割の低下が懸念されています。評価者の方々は、評価を通じて今後どのようにして大学院の魅力を高めていくかを考えており、一部の方は、所属先において各大学院の魅力を紹介してくれたりしています。各大学に対する評価を通じて、その業界全体を盛り上げていくということも私どもの仕事の重要な役割の1つであると感じているところです。
 
Y:本協会で働くことの意義は、評価を含めた様々な活動を通じて外から大学の改善・向上に寄与していくというところにあると思っていますが、実際に評価が大学の改善に役立つものとなったかどうかというところは、普段の業務ではなかなか感じにくいところがあります。ですので、働き始めた当初はちゃんと役割を果たせているのか不安を感じることもありました。そのような中で、不安を払拭できた場面の1つとして、改善報告書への対応があります。
 改善報告書とは、評価結果において改善を求めた事項(専門職大学院認証評価の場合は「勧告」又は「検討課題」として指摘した事項が該当)に対して大学院側がその後の改善状況を本協会に報告する制度です。このうち、「検討課題」として指摘した事項については、改善に取り組むかどうかはあくまで大学院側の任意となります。そのため本協会の評価に不服であれば改善しないという判断もあり得ます。
 おかげさまでこれまでほとんどの大学院がそうした指摘に対して真摯に対応してくださっており、改善への取組みが見えた時に私たちの活動の意義を感じることができます。そして、こうした改善報告書の提出制度のように、大学の質の向上に寄与する新たな仕組みづくりが我々職員にも求められていると思います。

今後の目標について

Q:最後に今後の目標を教えてください。

MⅠ:評価をより効果的かつ効率的に実施できる仕組みづくりを引き続き検討していきたいと思います。

MA:大学の取り巻く状況、専門職大学院の状況等について、より視野を広げて勉強していく必要性を感じています。

Y:グローバル化の進展により、国際認証を取得しようとする動きが活発化しています。その前段階として、まずは国内の認証を取得しようと本協会の評価を受ける大学もあるようで、これから分野別評価はますます重要になると感じています。そのため、これまでの知見を生かして、他の分野にも共通する評価の仕組みづくりにも関与していきたいと思っています。

(おわり)

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